外国人300人に日本の飲食店で飲みたいノンアルコールを調査
1位はコーヒー、2位はお茶。「お酒の〆にコーヒー」という声多数
こんにちは、(株)華ひらくで代表をしております、飲食店インバウンド専門家の内木美樹です。
私は、アメリカ・ラスベガス近くのカジノホテルでウエイトレスとして働いていた経験を活かし、2012年から飲食店専門に接客英会話レッスンを展開しています。 (手前味噌ですが、飲食店に特化した接客英語レッスンを行っている企業は日本で弊社のみです。)
さて、弊社は過去3年間で、1300人以上の海外の方に
など、様々な質問を海外の方に投げかけてきました。
今回の調査は、2019年2月7日から2月25日までの期間に、既に日本に来たことがある外国人149人と、まだ日本に来たことがない外国人151人に、SNS と街頭インタビューでこのような質問を行いました。
● まだ日本に来たことのない海外の方:
「日本の飲食店で飲んでみたいノンアルコールはなんですか? (複数回答) 」
● すでに日本に来たことのある海外の方:
「日本の飲食店で、お金を払ってまで飲む価値のあったノンアルコールは?(複数回答)」
(質問は英語と仏語で行った為、回答者の多くは欧米・オセアニア出身であることをご了承ください。)
今日はその結果をご報告します。
1位はダントツでコーヒー
「〆のラーメン」ではなく、「〆のコーヒー」?
2位に大差で1位に輝いたのがコーヒーでした。(未グループの84人と既グループの88人、計172人が選択)。
日本ではお酒の後は「〆のラーメン」と言われていますが、欧米では「〆のコーヒー」というネーミングが作れるほど、「お酒の後はコーヒーで終わらせたい」と考えている方が多いです。
これにより、お酒を提供しているお店でもコーヒーを販売する事で客単価が上る可能性が見えてきました。
コーヒーを選ばれた方々の声
【未グループ】
- コーヒは絶対に必要(フランス人 男性)
- ビールで始めて、食事と一緒にワインを楽しんで、コーヒーで〆たい(フランス人 女性)
- 最初にコーラを飲んで、最後はコーヒー(エスプレッソ)で終わらせたい(フランス人 女性)
- 食事中はお水でいいけど、食後はコーヒーが飲みたい(オーストラリア人 女性)
- カクテルで食事を始めて、食事中は赤ワインを飲んで、〆はコーヒーがいい(フランス人 女性)
- はじめはスパークリングワインとレモンで、コーヒーで終わらせたい(フランス人 女性)
- 地元の飲み物で始めて、ビール、ワイン、そしてコーヒー(フランス人 男性)
- ランチの最後は必ずコーヒーを飲むよ(フランス人 男性)
- 白ワインで食事をスタートして、最後はコーヒー(イギリス人 男性)
- まずはクラフトビールを飲んで、それから赤ワインに移行して、ラストはコーヒー(フランス人 男性)
- ビールとコーヒーなしでは生きていけない(スペイン人 男性)
- ビールとコーヒーがあれば十分(イギリス人 男性)
【既グループ】
- 大抵いつも、最初は無料で出されるお水かお茶を飲んで、あるならコカコーラゼロを注文する。時々カクテルも頼むかな。お店にコーヒーがあるならコーヒーで終わらせる(アメリカ人 女性)
- いつもはじめは冷たい飲み物で、最後はコーヒーかな(スイス人 女性)
- ビールと、チリの冷たい白ワインを飲んでラストはコーヒー(チリ人 女性)
- いつも〆はコーヒー(イギリス人 女性)
- 水道水でいいけど、コーヒーは飲みたい(フランス人 男性)
- 食事中はお水でいいけど、最後にはコーヒーがいい(UAE 男性)
- 食事の内容や食べる時間にもよって違うけど、ランチならワインかコーヒー。居酒屋でディナーだとビールと日本酒。レストランならいつもワインを頼むかな。あとは時々カクテルも。夜にコーヒーは飲まない。(ニュージーランド人 女性)
- 食前酒としてビールを飲んで、それからワインにいって、最後はコーヒー(イタリア人 男性)
- 最初は泡のある飲み物で、それからメインと一緒に赤ワインを飲んで、終わりはコーヒー(ドイツ人 女性)
- 夕飯と一緒にワインを飲むのが好き。日本のワインは飲んだことがあるけどあまりおいしくなかった。イタリアやフランスのワインが好きかな。ラストはコーヒー(スペイン人 男性)
- 友だちや同僚とどこかで食事する時は、スパークリングワインかカクテルで始める。そうじゃなかったら炭酸水かコーヒーかな(アメリカ人 女性)
- 食事の前にビールを何杯か飲むけど、食事の最中は水だな。で、最後にエスプレッソのブラック(アメリカ人 男性)
2位は日本のお茶
そして、2位に選ばれたのが日本のお茶でした。
回答の中には緑茶 (green tea) のみならず、「抹茶を自分で作って飲んでみたい」という声もあり、”matcha” という単語が浸透している印象がありました。
また、「普段は食事の最後はコーヒーだが、日本ではお茶で食事を終わらせたい」というように、日本に来たら日本ならではの方法を好む方もいらっしゃいました。
そして、今回お答えくださった300人の内、約30%はお酒を飲まない方々でした。
その様な方々はお茶を飲みたいと多く答えている印象です。
日本のお茶を選ばれた方々の声
【未グループ】
- 食後はデザートと一緒にお茶が飲みたいかも(フランス人 男性)
- ランチやディナーならクラフトビールやワインが飲みたいけど、朝は日本のお茶が飲みたい(スペイン人 女性)
- お酒を飲まないから、温かいお茶、冷たいお茶、どちらも試したい(フランス人 男性)
- お酒は飲まない。食事中は冷たいお茶を良く飲むな(モロッコ人 男性)
- ビールではじめて、〆にお茶(フランス人 女性)
- 食事中はお水で、最後にお茶がいい(アメリカ人 女性)
- 日本に行ったら桜の木の下で緑茶を飲みたい(スペイン人 女性)
- 抹茶を飲んでみたい(フランス人 女性)
- お茶の作り方を習って、自分で淹れたお茶を飲んでみたい(フランス人 女性)
【既グループ】
- お酒は飲まないから、お茶かノンアルコールカクテルを飲んだよ(アメリカ人 男性)
- 日本のお茶の種類の豊富さが素晴らしい(フランス人 女性)
- 緑茶なら冷たくても温かくてもどちらも好き(アメリカ人 女性)
- 緑茶がすごく好き。日本に行ったときはいつも携帯している(スイス人 男性)
- お酒は飲まないから、コーラか緑茶を買ったわ(ノルウェー人 女性)
- お茶は大抵無料で出てくるから、飲食店内でお金を払ってまで飲む事はないけど、お店では緑茶を買った(フランス人 女性)
3位は日本の果物を使った100%ジュース
2位のお茶に非常に僅差だったのが、日本の果汁100%ジュースです。
こちらに関してはポイントが2つあると考えられます。
1つは日本の果物であること。
上の表をご覧いただくと明確ですが、日本の果汁100%ジュースは、ミニッツメイドのような海外産の100%ジュースよりも5倍以上人気が高いことがわかりました。
「せっかく日本に来たのだから日本の果物を味わいたい」という心理の結果と考えられます。
また、その果物が地元で取れたものであればより購買意欲は高まります。
事実、河口湖で飲食店を経営されている弊社のお客様は、今年のあたまからノンアルコールの中に地元山梨で取れた桃とぶどうの100%ジュースの販売を始めたところ、導入前と比べて飲料の売上が大幅に上がりました。
2つ目は果汁100%ジュースであるという点です。
日本ではまだ果汁30%ジュースのように、100%ではない方が多く売られている印象ですが、アメリカでは飲食店でもスーパーでも、日本よりもはるかに気軽に果汁100%ジュースを入手することができます。
実際にお話を聞いていても、「100%の方が30%より値段はするが、100%を飲みたい」という声がありました。
「欧米の方が日本よりも健康意識が高い」と昔から言われていますが、飲み物でもその傾向が表れた結果と言えるでしょう。
ちなみに、“juice” とは果汁100%の飲み物の事を言いますので、”10% orange juice” という英語は、細かく言えば間違いです。その場合は “10% orange drink” となります。
「日本の果物を使った100%ジュース」と答えた方々の声
【未グループ】
- 新鮮な100%ジュースで食事を始めて、白ワインを飲んでから、最後はエスプレッソで終わらせたい(フランス人 女性)
- ノンアルコールカクテルや100%ジュースを飲んでみたい(フランス人 女性)
- 食事中なら100%ジュースか炭酸水が飲みたいな(フランス人 女性)
【既グループ】
- 日本でフェイクジュース(恐らく、「ジュース」と書いてあるのに果汁100%ではないもの)を飲んだけど甘すぎてとても飲めなかった(オーストラリア 男性)
- 日本には4回いったことがあるけど、日本のジュースや飲み物はとてもおいしくて大好き。「国産」というのを見つけたらいつもで注文するようにしている(南アフリカ 女性)
- 日本の新鮮なジュースを飲んだけど、甘すぎずにとてもおいしかった(フランス人 女性)
調査の結び
以上の結果をまとめると、今後、飲食店が海外のお客様により多くのご注文をいただくには、以下の点を検討する必要があることが分かりました。
- 居酒屋やバー、和食店でもコーヒーの準備は必須
- 緑茶とは別に抹茶の販売も
(抹茶を作る機会<コト消費>を設けることができれば尚よい)
- ジュースは日本の果物を使った果汁100%のものを
(地元でとれた果物であれば尚良い)
海外には日本とは全く異なる習慣をお持ちの方が本当にたくさんいらっしゃいます。
当然、国や地域によっても大きく違ってくるでしょう。
みなさんのお店がどの国や地域の方々によりお越しいただきたいのか?にあわせて、その方々の趣向を知っていけば、集客&売上向上の大きな1歩となるはずです。
「郷に入れば郷に従え」はもちろん大切です。
しかし、海外の方により楽しんでもらいたい、よりお金を落としてもらいたい、とお考えであれば、相手を知る事も大切です。
お互いが歩み寄って、知識や情報を共有できるといいですね。
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
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written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)