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すてべて飲食店に英会話を。
華ひらくの接客英会話ブログ
  • 2018年11月27日

「飲食店内での喫煙」について日本人119人と外国人110人に調査

外国人の非喫煙者の83%が喫煙可能な飲食店への入店を拒否
〜日本人非喫煙者は33%。受動喫煙への意識差が浮き彫り〜

こんにちは、(株)華ひらくで代表をしております、飲食店インバウンド専門家の内木美樹です。

最新の調査結果が出ましたのでご報告です。

株式会社華ひらくは過去3年間で、

「日本の飲食店に改善して欲しい事は何か?」
「日本の飲食店にどのようなサービスがあれば、もっと注文したいと思うか?」

など、様々な質問を海外の方に投げかけてきました。

今回行った最新の調査は、2018年9月~11月にかけて、日本人119人と外国人110人に飲食店内での喫煙に関する同じ質問を行い、どの様な違いが出るかを調べました。
(海外の方への調査は明らかに見た目が日本人ではない方に英語で行った為、答えを聞けた方々は欧米人が多い事を予めご了承ください。)

 

日本人喫煙率は外国人喫煙率の約3倍

まずは左の2つの表をご覧ください。
こちらは日本人と外国人の喫煙率を表したものです。
全対象者に「たばこは吸いますか?」と尋ねたところ、そもそも、喫煙率が日本人と海外の方で大きく異なる事が分かりました。

日本人は「吸う」「時々吸う」と答えた方が29.4%(35人)に対し、海外の方は10.0%(11人)と、約3倍の開きがありました。
実際に街頭インタビューを行っていても、外国人喫煙者を探すのは難しかった印象です。

 

飲食店内での喫煙に寛容な日本人非喫煙者と、厳格な外国人非喫煙者

次にこちらの表をご覧ください。

日本人と外国人の喫煙者には「入ろうと思った飲食店が全席禁煙だった際、それでも入店しますか?」、非喫煙者には「入ろうと思った飲食店が全席喫煙だった際、それでも入店しますか?」と質問しました。
すると、日本人非喫煙者の66.7%は「全席喫煙でも入る」「状況によっては入る」と答えたのに対し、外国人非喫煙者は17.0%と、約4倍の差があることが分かり、飲食店内での喫煙に寛容な日本人非喫煙者と、厳格な外国人非喫煙者という、受動喫煙に対する意識の差が浮き彫りになりました。

83.0%(83人)の外国人非喫煙者は「全席喫煙の飲食店には入店しない」と答えたことになりますが、その理由を問うと、「たばこを吸える環境で食事をする事に慣れていない」という答えが圧倒的でした。
詳しく聞いてみると、少なくともこれらの国では飲食店内はもちろん、建物の中での喫煙は禁止されているとの事でした。

私が働いていたアメリカのカジノの様に、一部の特別区域では吸える場所もありますが、一般的には路上やテラス席では喫煙可能なものの、バーを含む飲食店内では喫煙が禁止されている国が多いため、日本の飲食店内でたばこが吸えるという点に関して、このような驚きや残念がる声が非常に多かった印象です。

 

「喫煙可能な飲食店には入らない」を選んだ外国人非喫煙者の声

  • 「(ブーイングのジェスチャーをしながら)飲食店内でたばこが吸えるなんてありえない!」
  • 「日本に来て、飲食店でたばこが吸えることに驚いた」
  • 「非常に残念。日本は食文化からいっても健康志向の国民のはずなのに」
  • 「昨日入った飲食店が喫煙可能なお店だった。すごくお腹が空いてたからそのまま食事をしたけども、たばこの煙ひどくて嫌な思いをした。次にそういう機会があったら店を出ると思う」
  • 「仮にお腹が空いてたとしても、たばこの煙を味わいながら食事を楽しむことなんてできない」
  • 「もし街にそこしか飲食店がないなら別だけど、東京には他にも飲食店がいっぱいあるんだから、わざわざ煙が多い飲食店に入る必要は無いよね」
  • 「食事中に煙を吸うのは好きでは無い。日本の飲食店もオランダのように全店禁煙にした方が良いと思う」
  • 「日本では行きたいと思っても店が喫煙許可の場合が多いから、早い時間、17時半18時等に予約を入れる。喫煙者は飲酒を伴う場合が多く、遅めに来店することが多いと経験から学んだ」
  • 「飲食をする店でたばこが禁止されてない日本は遅れている」
  • 「自分(と家族)の食事をする空間にたばこの存在は許せない。特に子供(自身は16歳と14歳の子供の母)が入る系統の店では全店禁煙にするべきだと強く感じる」
  • 「日本人の会社員と接待の際にセッティングされた店が喫煙可だったことがあり、とても嫌だった。店自体は高級そうな日本食レストランなのに禁煙可をえらんでしまうのは本当に残念。分煙でも臭いがする。長居はしたくないので接待の効果を下げている」
  • 「日本はまだたばこが安価。条令も遅れていて極めて残念。日本食を含め日本文化贔屓なのに」

 

一方で、日本人の非喫煙者は「状況による」と答えた方が39.3%(33人)で、「入らない(33.3%/28人)」よりも多い結果となりました。

① 飲食店内での喫煙になれている風習
② 自分よりも周りを優先するという国民性
③ 白黒ではなくグレーを好む思考

この様な理由から、「状況による」が最多だったと推測できます。

「状況による」を選んだ日本人非喫煙者の声

  • 「1人なら禁煙席を選ぶが、複数人の時は周りにあわせる」
  • 「店内が空いていたらささっと食べて出る」
  • 「たばこの煙は本当に嫌だけど、空いてるようだったら入る」
  • 「1人であれば気にしないが、誰かと食事をする際は相手が吸うか吸わないかで合わせる」
  • 「なるべく禁煙で探すが、状況や一緒にいる人に合わせる」
  • 「たばこの匂いが苦手な為、基本的には入らないが、どうしても入らなければいけない理由があれば入る」
  • 「その場の状況に応じて動く」
  • 「あまりにも喫煙者が多い場合、服などに臭いがついてしまうので人数を見て決める」

 

調査結果の結び

2020年には約4000万人の外国人が訪日すると予想されていますので、訪日外国人をいかに集客して飲食店の売上を上げるかは業界全体の喫緊の課題です。
しかし、日本人とは異なり、海外の方にとっては喫煙可能か否かが入店を決める大きな理由になる事が、今回の調査で明確になりました。
この様な外国人の声をいかに早く察知し、対策を取るかが、インバウンドで成功する飲食店とそうでないお店の明暗を分けるという事は言うまでもありません。

2020年4月1日から、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とする、東京都の受動喫煙防止条例が施行されます。
飲食店経営をされているみなさん、遅かれ早かれ禁煙になるのであれば、串カツ田中の様に全席禁煙を大々的に打ち出し、他店よりも先に外国人集客に乗り出して見てはいかがでしょうか?
先見の明を持ち、いかに先手を打つかが、大きな分かれ道となりますよ。

written by 内木美樹(華ひらく代表取締役/飲食店インバウンドの専門家)

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