英訳だけでは意味がない!訪日外国人からの売上が上がる【最強英語メニュー】の作り方
こんにちは!
アメリカのカジノホテルでウエイトレスとして勤務していました、飲食店専門の接客英語講師&飲食店インバウンド専門家の MIKI です。
このブログでは、訪日外国人客が求めている英語メニューの作り方をご紹介します。
海外からのお客様(訪日外国人客)にも来店してもらいたい、いっぱい飲み食いしてもらいたいと考えている飲食店、必見です。
英語メニューは英訳だけでは意味がない!?
多くの飲食店は「1文字●円」という形で翻訳会社に依頼をしていると思います。
でも実は、日本語メニューを英訳しただけの英語メニューって、海外の方にとってはすっごく注文がしづらいメニューなのです。
私がそのように断言できる理由は、弊社はこれまで1,600人以上の訪日外国人に日本の飲食店に関する街頭インタビューを行ってきました。
日本の飲食店についての生の声を集めてきたからです。
「日本の飲食店で一番飲みたいアルコールはなんですか?」
「注文しやすい英語メニューと、注文しづらい英語メニューの差は何ですか?」
など、売り上げに直結する多くの調査を行ってきました。
そうすると、海外の方が注文する上では欠かせない3つの要素があることがわかりました。
つまり、この要素がないメニューは、どんなに英訳されていても「見づらい」「頼みづらい」メニューなのです。
翻訳会社にお金を払うのではなく、この3つの要素に投資をする方がよっぽど客単価が上がります。
この動画では、その3つの要素を詳しく説明していきます。
1)お料理の写真
街頭インタビューで、
「飲食店のメニューで絶対に入れてほしい情報はなんですか?」
と聞いたところ、英訳を抜いてトップに出たのが料理の写真です。
なぜなら英訳は、グーグル翻訳でもできます。
でも、料理の見た目はお店によっても異なるので、こちらは天下のグーグル先生でも役立てない情報なのです。
写真はもちろん、プロのカメラマンにお願いするのが一番です。
でも、今の時代はスマホでも十分キレイな写真が撮れます。
なので、写真は必ず入れましょう。
これは英語メニューに絶対に入れなくてはいけない要素です。
2)食材
2つ目は食材です。
海外には、私たちが思っている以上に「食べられない食材をお持ちの方」がたくさんいます。
ベジタリアンの人口はどんどん増えていますし、イスラム教徒にいたっては、今や人口の4人に1人がイスレム教と言われています。
また、日本でも食物アレルギーを持っている方が急増していますが、それは世界でも同じで、アメリカでは10人に1人が何らかの食物アレルギーを持っていると言われています。
つまり、そのような方々にとっては、どんな食材が入っているかわからないと、注文ができないのです。
メニューに細かく書いてあれば安心して頼めます。
でもそうじゃないと、店員さんに「この料理には豚は入っていますか?」といちいち聞かないといけません。
英語が話せ、すぐに回答できる店員さんがいれば問題解決ですが、そうではない場合、お店側にとっては時間のロスですよね。
なので、食材を英語で記載することが大切なのです。
しかも、できる限り詳細に書くことをおすすめします。
例えばお好み焼きの場合、メインのイカや牛肉といった情報だけではなく、卵、キャベツ、天かす、そして出汁は野菜ベースなのか魚ベースなのかなど。
細かく書けば書くほど、店員さんを呼ばれることなくご注文いただけますので、最初の準備だけが大変な分、あとがラクです。
3)マーク
そして最後は、マークです。
どんなマークかというと、ベジタリアンでも食べられるものはベジタリアン・フレンドリーマーク、ムスリムでも食べられるものであればムスリム・フレンドリーマーク、そして、シェフのおすすめマークの3つです。
この「フレンドリー」という言葉には、
「100%の対応はできないかもしれませんが、柔軟に対応しますよ」
という意味が込められています。
完璧を求められてしまうと飲食店側も大変ですが、「フレンドリー」という言葉を使うことで、海外のお客様側もそこまでシビアに求めてはきませんので、かなり使い勝手のいい表現なのです。
ベジタリアン・フレンドリーマーク
ではどんな料理にベジタリアン・フレンドリーマークを付けるかというと、出汁やドレッシング、ソースや蜂蜜なども含め、動物性由来のものは使っていないお料理にこのマークをつけます。
居酒屋メニューで考えますと、枝豆や野菜の串焼きなどがそうですね。
ムスリム・フレンドリーマーク
ムスリム・フレンドリーマークも同じです。
イスラム教徒の方が豚とアルコールを口にしてはいけない、というのは、ご存知の方も多いと思います。
なので、豚肉を使っていないのはもちろん、豚由来の成分が含まれていないものや、お酒が入っていない料理にはムスリムフレンドリーマークをつけましょう。
こちらは唐揚げやてんぷら、パスタなど、結構数はあるはずです。
ちなみに、ベジタリアン・フレンドリーやムスリム・フレンドリーといえばこれ!といった特定のマークはありません。
つまり、それぞれのお店独自のマークでいいのです。
一番簡単なのが、ベジタリアンフレンドリーは「VF」、ムスリムフレンドリーは「MF」ですね。
ただ、そのマークがあっても、そのマークが何を意味しているかが伝わらなければ意味がないので、必ずページの端っこに、
VF = Vegetarian Friendly
MF = Musulim Friendly
と記載しましょう。
最強英語メニューサンプル
さて、これら3つの要素を入れた最強英語メニューのサンプルをご用意しました。
ドン!
このように、すべての料理を同じ大きさで表記するのではなく、料理の中でも強弱をつけることで、シェフのおすすめがどれなのかがより分かりやすくなります。
まとめ
ではまとめに入ります!売上が上がる最強英語メニューに必要なのは、①写真 ②食材 ③マークです。
これらがあることで、海外の方にとって見やすく、わかりやすいメニューとなり、安心してたくさん注文することができるのです。
注意点
最後に1つ注意点です!
最強の英語メニューをつくり、海外のお客様のおもてなしの準備ができたからといって、すべての海外の方に英語メニューを渡すのはNGです。
なぜなら、中には見た目が明らかに欧米系の方でも日本語ペラペラの方や、日本語を勉強中だから日本語メニューがいいという方、日本語は全然わからないけど、言葉が通じないもどかしさを味わいたいから日本語メニューを希望される方など、いろいろな方がいるのです。
なので、
「あ、外人さんだ。はい、英語メニュー」
という、良かれと思った行動が、実は相手は求めていないということもあるのです。
なので、日本語メニューと英語メニューの両方をお出しして、
「どちらがよろしいですか?」
と聞き、相手に選んでもらいましょう。
選択肢を提供する。決めるのはお客様。これが非常に大切です。
ちなみに、「どちらがよろしいですか?」は “Which one would you like?” という英語ではなく、日本語のまま聞くことをおすすめします。
以上、今日のレッスンでした!
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
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written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)