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月: 2017年4月

外国人客が殆ど注文しないで飲食店を出て行ってしまう2つの理由

外国人の客単価が低い2つの理由

こんにちは。飲食店インバウンド専門家をしております、(株)華ひらくの内木美樹です。

弊社は飲食店専門に英会話レッスンを展開していますので、飲食店の店長や経営者とお会いする機会が多々あります。

その時に弊社のレッスンのご紹介をすると、たまにこの様なお話を聞きます。

「外国人は全然注文しないで帰っちゃうんだよね~」

いやいやいやいや。

食べ比べ・飲み比べ目的であればともかく、外国人が飲食店で全然飲み食いしない…なんて事は普通はありません。

事実、2016年9月27日に発表されたぐるなびのデータによると、外国人客のランチの平均単価は1,644.6円、ディナーは4,161.5円ですので、決して注文していないわけではありません。

特に、旅行客であれば、気持ちも財布も緩んでいるので、多くの注文をいただけるチャンスは大いにあります。

では、なぜ海外からのお客様はほとんど頼まずお店を出てしまうのでしょうか?

それにはこの様な原因が考えられます。

  1.  メニューに写真がない
  2.  お店がクレジットカード払いに対応していない

 

お金をかけずに既存のメニューを改良する方法

ちなみに、みなさんのお店のメニューには、写真が何点のっていますか?

日本語が読めない方が日本語メニューしかないお店に入った場合、何を注文するかは全て写真から選ぶことになります。

ですので、写真は絶っっっ対に必須なのです。

もちろん、英語のメニュー(「正しい英語のメニュー」が正解)があるに越したことはありません。

しかし、正しい英語となると翻訳会社に依頼することになり、どうしてもお金はかかってしまいます。

「それなら Google 翻訳があるじゃない!」と思われるかもしれませんが、Google翻訳等の自動翻訳は絶対にお勧めできません。(理由は高級店や老舗店がGoogle翻訳を使わない方がいいたった1つの理由をご覧ください。)

 

それであれば、みなさんのスマホに Foodie(料理を撮影するために開発された無料アプリ)をインストールして、写真の角度や料理の位置などは最低限勉強した上で、料理の写真を撮影しちゃいましょう!

みなさんのスマホで撮影したお写真を既存のメニューに加えるのであれば、ほとんどコストをかけずに行えるはずです。(この際、おいしそうな料理の写真を撮ることに最大限の意識を!写真の質は本当に大事!)

ではここで、お金をかけずに既存のメニューを改良し、しかも、海外のお客様にとって「注文したい!」と思ってもらえるようなメニューを作る方法をご紹介します。

  1.  おすすめ料理の写真は必須
  2.  おすすめ料理には “Chef’s recommendation”(シェフのおすすめ)と入れる

 

1.「おすすめ料理の写真」は最低限いれよう

すべての料理の写真があればより素晴らしいのですが、写真を撮影するのも、撮った写真をのせるのも、それなりに手間がかかりますよね。

それであれば、最低でも「おすすめ料理のお写真」は必ず掲載するようにしましょう!

お写真の数ですが、1つの項目(前菜、サラダ、スープ、パスタ、揚げ物、肉料理、デザート 等)につき、最低でも5品は載せたいですね。

例えば、2名のお客様が、7品ある写真の中から1人1品ずつ選ぶ、であれば、十分な選択肢もあり、「仕方がなくこれを選んだ」ではなく、「これが食べたいからこれにした」という意識をもっていただけるはずです。

ですので、少なくても選択肢(お写真)は5つ以上はご用意しましょう。

私はプライベートでよく T. G. I. Friday’s に行くのですが、あちらのメニューはとても見やすく、しかも魅力的に見えます。写真の大きさや位置など、参考にされてみては?詳しくは「T. G. I. Friday’s メニュー」で画像検索!

 

2. おすすめ料理には “Chef’s recommendation”(シェフのおすすめ)と入れる

弊社が2018年に都内で行った調査によると、88%の海外の方は「日本の店員さんにおすすめを教えてもらいたい」とお考えでした。

口頭で「今日のおすすめは~」や「こちらが当店の自慢の一品です」などのご説明が出来るのが一番ですが、難易度は決して低くはありません。

それであれば、このような項目のマークか何かを作り、 おすすめ料理にポンっと加えましょう。

  • “Chef’s recommendation!”(シェフのおすすめ!)
  • “Popular with locals!”(地元の方に人気!)
  • “Our specialty!”(当店自慢の一品!)
  • “Seasonal dish!”(季節のお料理!)

それだけで、客単価向上につながる可能性大ですよ。

 

2)クレジットカード払いに対応はお店にとっても売上増のチャンス

カードの手数料が高いのはよ~~く分かります。

また、入金が随分先なのも困りますよね。

でも、日本クレジット協会によると、訪日外国人の誘致に積極的な浅草・仲見世商店街の飲食店では、

クレジットカード払いによる購入金額は、現金払いと比べて3.3倍

なのです!

そして、クレジットカード利用が出来ないお店の場合、海外からのお客様の半数近くが「購入見送り」や「現金で支払える範囲で購入」しているとも発表しています。

つまり、クレジットカード対応にすることで、手数料は取られますが、その分売上が上がる可能性は十分にあるという事です。

最近は楽天ペイや Square などのモバイル決済もあり、手数料が一律になったり、入金が翌日になるよう、クレジットカード導入のハードルを下げてくれるサービスもあります。

【モバイル決済とは?】

  • 加盟店手数料が各社3.24%~(上記3社より安い)
  • 上記3会社を含む様々なカード会社に対応
  • 入金は最短で翌営業日(月末まで待つ必要なし)
  • 初期や月額費用がかからない

詳しくは各サイトをご覧ください。

楽天ペイ:https://smartpay.rakuten.co.jp/?scid=af_tg
Square:https://squareup.com/jp/promo

 

このように、お店が訪日外国人の受け入れ態勢を整えれば、海外のお客様が多くご注文下さるお店に変身する事が可能です。

事実、弊社のコンサルを受けられているビアバーのお客様は、受け入れ態勢を整えた結果、たった3か月で訪日外国人の客単価が約500円アップしました。

「来店はしてくれるけど、殆ど頼まないで帰ってしまう」とお悩みの店長・経営者の方々、上記2点を見直してみてはいかがでしょうか?

 

written by 内木美樹(華ひらく代表取締役/飲食店インバウンドの専門家)

飲食店が外国人客を接客時に起こる『タイムロス』を減らす方法

【飲食店向け】外国人客の接客をスムーズに行う方法

お店のピーク時に海外からのお客様が来店されると、
「やばい」、「まずい」、「困った」、「どうしよう」
という気持ちになっていませんか?

お店が空いている時ならまだしも、忙しい時間帯に来られると
「誰か(別のスタッフが)対応してくれないかな・・・」
と心の中で願っている方も多いのではないでしょうか?

また、オーダーを取る際も、
「お客様が何を言っているか分からない」、「言っている事は理解できたが、英語で何て答えればいいかわからない」
という事も多々あると思います。

このような負の感情や、もたつきは、お店にとってはマイナスですよね?
本来1秒でも早くオーダーを取り、効率よく色々な事をしたいのに、こういう状況に陥ると、タイムロスになります。

そこで今日は、上記の様な「タイムロス」を減らす方法をいくつかご紹介したいと思います♪

  1. 料理の写真をメニューにのせる
  2. 英語のメニューを用意する
  3. 接客英会話を勉強する

 

1)料理の写真をメニューにのせる

弊社が実施した500人の訪日外国人への街頭アンケートによると、海外からのお客様は
「英語のメニューがあるに越したことはないけど、写真があれば十分!」
とお考えの方が非常に多いです。

確かに、文章よりもイメージの方が料理の雰囲気が伝わりますよね。

食物アレルギーや宗教の関係で食べられない食材をお持ちの方は中に何が入っているかを気にされますが、そうでなければ、ぱっと見て「これがおいしそう!」と見た目の印象で決める方も多いはず。

その様な方々には、明確で分かりやすい料理の写真があれば十分なのです。

また、「海外からのお客様」と一言でいっても、英語を母国語とされている方もいらっしゃれば、「カタコトの英語しか話せません」という方も多くいらっしゃいます。

実は、ヨーロッパでも北の国の方々(オランダ、ノルウェー、フィンランド等)の方は英語がペラペラですが、南の国の方々(フランス、イタリア、スペイン等)は英語が得意でない人も多いのです。

その様な方々には、何といっても写真が一番!

最近は個人で使う様なデジカメでも十分にキレイなお写真が撮れますし、料理の写真を撮る為に開発された Foodie という無料アプリを使えば、スマホでも簡単においしそうに写真を撮影できます。

全て料理のお写真を載せるのもよし、おすすめのお料理のみを選んで載せるのもよしです。

こちらのメニュー(出展:T. G. I. Friday’s Aruba )のように、大きく写真を使いましょう。

 

 

2)英語のメニューを用意する

通常、料理のお写真があれば大抵の方は問題なく注文できるはずですが、この様な方々はそうはいきません。

  • 食物アレルギーをお持ちの方
  • 宗教の関係で食べない食材をお持ちの方
  • ベジタリアンの方

幸い、私の子供は今のところ食物アレルギーはなさそうですが、もし深刻なアレルギーを持っている中で海外を旅行した際は、料理の中に入っている食材を非常に気にするはずです。

英語や日本語のメニューがあればいいのですが、もしない場合は、担当フードサーバーにアレルギーの事をしっかり伝え、入念に確認をしてもらわないといけません。

食物アレルギーも宗教もベジタリアンも、日本ではまだそれほど多くありませんが、海外では非常に多くの方が上記の理由で何らかしらの食べられない食材をお持ちです。

例えばこちら。

World Allergy Organizationの資料によると、(単純計算で)30人に1人は何らかしらの食物アレルギーを持っている

世界の約 1/4 はお酒や豚を口にしてはいけないイスラム教徒。2010年にイスラム教徒が最も多かった国はインドネシアで、2位がインド。また、中国には2,000万人以上が、ロシアの人口の15%はイスラム教徒と言われている

今はまだそれほど多くないかもしれませんが、2020年に向けて、この様な方々はますます日本を訪れるでしょう!

その際、いちいちスタッフに

「豚が入っていないのはどれ?」

「この料理に牛乳は使ってる?」

と質問していたら、彼らも食を楽しめませんし、スタッフにとっても大幅なタイムロスになるでしょう。

そのような事を事前に防げるように、正しい英語のメニューをご用意し、食材の情報も入れる事をおすすめします。

英語でメニューをお作りになる際、Google翻訳等の無料サービスは使わない事を強くおすすめします。詳しくは、高級店や老舗店がGoogle翻訳を使わない方がいいたった1つの理由をご覧ください。

 

英語メニュー翻訳会社を選ぶ際、絶対に欠かせない2つのポイント

ちなみに、初期費用はかかりますが、一番確実なのが、メニューを翻訳会社に依頼して英訳をお願いする事です。

とは言え、日本には数多くの翻訳会社が存在している為、「どの会社を選べばいいんだ…」と迷われる方も多いでしょう。

そのような方は、英語メニュー翻訳会社を選ぶ際、絶対に欠かせない2つのポイントをご確認ください。

 

3)接客英会話を勉強する

弊社の接客英会話レッスンを受けて下さった一人の女性が、タイムロスについてこの様におっしゃっていました。

海外のお客様が来店されても、結局みんながみんな、「あ、外国人のお客さんだ」みたいになるんですよね。
スパッと「当店のおすすめは~」とか「ご注文は?」とかが出来ればいいんですけど、みんな何て聞けばいいか分からないので、お客さんがキョロキョロしながら注文したそうにしているって気づいていても、なかなか足が向かないっていうのがあって。
だから、英会話を通じてそういうロス、お店にとってマイナスを何とかしたいなって思ってレッスンを受けようと思いました。

そうなんですよね。

接客英会話ができれば、

お席へご案内

注文を取る

お料理を運ぶ

お会計

までがスムーズに出来るので、タイムロスになりません。

注文を取る時間も、日本人のお客様相手にかかる時間と同じですので、ロスには繋がりません。

 

また、特に欧米の方は、フードサーバー(ウエイター/ウエイトレス)との会話を楽しみたいとお考えの方も非常に多いです。

チップを払う文化だからか、人としてのサービスも、飲食店を楽しむ重要な要素になっています。

そのような方から、「この近くにいいバーって知っていますか?」という様な質問を受けることは結構多いのですが、その際に「えーっと、えーっと・・・」となる事がタイムロスに繋がります。

しかも、特にアメリカ人は食に対して選り好みする傾向があります。

  • 「ポテトに塩はかけないで」
  • 「このサラダに入っているトマトは抜いて」
  • 「ドレッシングはかけないで、別に器に入れて持ってきて」

等、あれこれ注文される事は日常茶飯事です。

つい先日、銀座で該当インタビューを行っていたら、アルゼンチン出身の女性がこのようにおっしゃっていました。

日本の飲食店への要望?
もっと柔軟に対応して欲しいかな。

この間、とあるお店でフレンチフライを頼んだけども、コショウがいっぱいかかっていたから『コショウなしのに変えて』と頼んだら、『変えられません』と断られたのよ。

サービス業はお役所仕事ではありません。

せっかく人と人が触れ合って成立するお仕事なので、もう少し英語力を上げて、柔軟に対応出来るようになれば、タイムロスが減るどころか、顧客満足度が上がりますよ。

 

これからますます、訪日外国人の数は増えていきます。

今すでに「タイムロス」が起こっているのであれば、それは今後さらに大きなロスへと繫がっていくはずです。

そうなる前に、上記の何かしらの対策を行い、体制を整えてみてはいかがですか?

海外からのお客様の満足度が上がり、人気が出てくれば、「外国人にも選ばれるお店」という新たなブランドが出来上がるかもしれませんよ?

written by 内木美樹(華ひらく代表取締役/飲食店インバウンドの専門家)

高級レストランや老舗飲食店が自動翻訳を使わない方がいい理由

高級レストランや老舗飲食店が自動翻訳を使わない方がいいたった1つの理由

自動翻訳ってすごいですよね。
文字や文章を入力したらすぐに多言語に翻訳してくれます。
しかもタダで。
すっごい便利です。
私も今スペイン語を勉強している最中なので、単語を調べるとき等、大変お世話になっています。

でも、もし貴店が高級店や老舗店であれば、自動翻訳は絶対に使わない事をおすすめします。
理由は単純。
翻訳が間違っている事が多々あるからです。
そして、誤字脱字が多くあるメニューを使用しているお店はチープに(安っぽく)見えてしまうからです。

例えば、皆さんが銀座にある高級飲食店に入ったとします。
雰囲気はオシャレ。
店内も高級でもちろん清潔。
しかし、出されたメニューに誤字脱字が多くあったら…、

  • 「誰もメニューを確認しないの?このお店は」
  • 「メニューにお金をかけられない程、経営がうまくいっていないのかな」
  • 「高級店を謳っているのにこの誤字脱字・・・全然プロ意識を感じない」

と、がっかりしませんか?

 

日本語メニューと英語のメニューの書き方は根本的に違う

そもそも、日本語と英語ではメニューの書き方の基本が大きく異なります。

英語のメニューでは、調理法、食材、味が書いてあるのが基本です。
ですので、どの国や地域の、どんな文化を持った人でも、メニューを見ればその料理が想像できます。

しかし、日本語のメニューは違います。
日本語メニューは、日本の文化や風習を知っている日本人向けに作られているため、日本人以外には、ぱっと見てもよくわかりません。

 

鮭のちゃんちゃん焼きの和訳と英訳の例

例えば、「ちゃんちゃん焼き」。
大抵の日本人であれば、「ちゃんちゃん焼きと言えば鮭」と想像できるので、わざわざ「鮭のちゃんちゃん焼き」と書かなくてもいいくらいです。
しかし、多くの海外の方には「ちゃんちゃん焼きといえば鮭!」という回路はないので、「書かなくてもわかるでしょ?」というのは日本人のエゴでしかありません。

では、「ちゃんちゃん焼き」を自動翻訳したら伝わるのでしょうか?
大手自動翻訳サイトで「鮭のちゃんちゃん焼き」を英訳したら、=”promptly-fried salmon” と出ました。
“promptly-fried salmon” をそのまま和訳すると、「さっと揚げた鮭」になります。
…全然あってないですよね。

先ほどお伝えしたように、英語でメニューを作る際の基本ルールは、調理法、食材、味を入れること。
ですので、仮に弊社に「鮭のちゃんちゃん焼きを英訳してほしい」というご依頼をいただいたら、”Grilled Salmon, Green Pepper, and Onion with Miso and Butter” (味噌とバターで鮭とピーマンとオニオンを焼いたもの)と訳すでしょう。
これが本来あるべき英語メニューの作り方なのです。

 

牛丼の和訳と英訳の例

続いて牛丼を正しく英訳し、英訳したものを自動翻訳で和訳したものも見てみましょう。
すごくおもしろいですよ。

牛丼の説明を弊社なりに英語にするとこのようになります。↓

Bowl of rice topped with thinly sliced beef and onion simmered in mildly sweet flavored with dashi, soy sauce and sweet sake.

上記英訳分の正しい日本語訳がこちら。↓

ご飯の上に、出汁、しょうゆ、みりんの入った甘めのソースで煮込んだ薄切牛肉と玉ねぎをのせた丼ぶり。

 

でも、さきほどの英文を自動翻訳で和訳するとこうなります。↓

薄くスライスした牛肉とタマネギをトッピングしたお椀に、甘く甘く味付けした醤油と甘酒を添えました。

 

ね?とてもおかしな和訳になっていますよね?
こういう間違った文章をあちらこちらに使っているとしたら、その飲食店はもはや、お店の箔を自ら落としている言っても過言ではありません。

カジュアルなお店であればまだ許される部分もありますが、高級店や老舗店であり、そこに誇りをお持ちであれば、自動翻訳ではなく、英語ネイティブのチェックも行っている翻訳会社に依頼しましょう!

たかがメニュー、されどメニューです。

お店の顔に自ら泥を塗っている飲食店が非常に多いので、厳しめに書かせていただきました。
ご参考になれば幸いです。

 

written by 内木美樹(華ひらく代表取締役/飲食店インバウンドの専門家)