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月: 2023年11月

飲食店のインバウンド準備不足が売上低迷を招く 〜訪日外国人101人への街頭聞き取り調査で判明〜

こんにちは、 (株)華ひらくの内木美樹です。私は米国のカジノホテルでウエイトレスとして勤務していた経験をいかし、飲食店インバウンド専門家として全国でセミナーを行っております。また、海外の方の生の声を集める為に、これまで1,700人以上の訪日外国人に日本の飲食店に関する街頭調査を実施してきました。手前味噌ですが、飲食店に関する外国人のこれだけの声を拾っている企業は日本で弊社のみです。

この度は、弊社が11月8日に都内で行った街頭インタビューの結果をお知らせします。

世界では、私たち日本人が考えるよりも遥かに多くの方が、宗教、ベジタリアン、グルテンフリー、食物アレルギーなどの理由で何らかの食べられない食材を持っています。例えば、2023年の時点でイスラム教徒の人口は20億以上と言われております。つまり、世界の人口の4人に1人が、豚や酒を口にしないことになります[1] 。また、ベジタリアンの人口はインドの31%以上を筆頭に、メキシコ19%、ブラジル14%、台湾14%、スイス13%と、上位9か国で国民の1割を超えています[2]。

過去の街頭インタビューでもそのような方々からお話を伺う機会は多々あり、多くの方が「飲食店で何を食べられるのかが分からない」と困っている様子でした。

そこで弊社は、101人の訪日外国人に調査をし、宗教、ベジタリアン、グルテンフリー、食物アレルギーなどの理由で食べられない(食べない)食材を持っている人の割合を調査しました(好き嫌いは除く)。すると、22%の人が「ある」と回答し、その内訳は下図です。(「その他」は、食物アレルギーかどうかは定かではないが、口にする事によって腹痛などの症状を起こすと答えた人です。)

そして、このような方から話を聞くことで、日本の飲食店の大きな伸びしろが見えてきました。

例えば、ベジタリアンやムスリム、グルテンフリーの方の悩みを聞くと、「日本の飲食店のメニューには食材が書かれていない為、どの料理が食べられるのかがわからず、注文したくてもできない」と多くの人は回答します。英語メニューを作る飲食店は増えてきていますが、日本語のメニューを英訳している店舗がほとんどな為、訪日外国人が欲している「どんな食材が使われているか」に関する情報が記載されていないのです。その結果、注文したくてもしづらい外国人と、売上の機会を損失している飲食店という残念な構図が出来上がっています。

以上の結果をまとめると、飲食店側が以下の準備をすることで、より多くの訪日外国人に安心してたくさんの注文をもらえる事が分かりました。

1)豚肉や豚成分、アルコールを使用していない料理に「ムスリム・フレンドリー」マークを

2)出汁などを含め、動物性のものが含まれていない料理に「ベジタリアン・フレンドリー」マークを

3)小麦や大麦、ライ麦などのグルテンが入っていない料理に「グルテン・フリー」マークを

※ 「フレンドリ-」とは、完璧ではないものの、柔軟に対応するという意味合い。

訪日外国人は、お金を使いに日本に来ます。日本食の人気は相変わらず非常に高く、彼ら・彼女らは日本の飲食店で食べる気・飲む気満々です。しかし、文化、言語、認識の違いなどが原因で、注文のしづらさはまだ残っています。

弊社はこのように、随時、海外の方に日本の飲食店に関する調査を行っており、これらを飲食店に届けることで、飲食店の売上向上と訪日外国人の満足度向上を目指しております。ここでは紹介しきれなかったデータ、詳細もございます。ご入用の際はお気軽にお声がけください。

お忙しい中最後まで読んで下さりありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

参考:

[1] https://worldpopulationreview.com/country-rankings/muslim-population-by-country

[2] https://www.rferl.org/a/which-countries-have-the-most-vegetarians/29722181.html