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2019年3月22日
【300人の外国人に調査】外国人が日本の飲食店で飲みたいお酒 TOP4
目次
1位は日本の生ビール、2位は日本酒、国産ワインの認知度の低さ露呈
こんにちは、(株)華ひらくで代表をしております、飲食店インバウンド専門家の内木美樹です。
私は、アメリカ・ラスベガス近くのカジノホテルでウエイトレスとして働いていた経験を活かし、2012年から飲食店専門に接客英会話レッスンを展開しています。 (手前味噌ですが、飲食店に特化した接客英語レッスンを行っている企業は日本で弊社のみです。)
株式会社華ひらくは過去3年間で、1300人以上の海外の方に
など、様々な質問を海外の方に投げかけてきました。
今回の街頭インタビューでは、まだ日本に来たことのない151人(未グループ)と、すでに日本に来たことのある149人の海外の方(既グループ)に、SNSと街頭インタビューでこのような質問を投げかけました。
● まだ日本に来たことのない海外の方:
「日本の飲食店で飲んでみたいお酒はなんですか? (複数回答) 」
● すでに日本に来たことのある海外の方:
「日本の飲食店でお金を払ってまで飲む価値のあったお酒は?(複数回答)」
(質問は英語とフランス語で行った為、回答者の多くは欧米・オセアニア出身であることをご了承ください。)
今日はその結果をご報告します。
堂々の1位は「日本の生ビール」
未グループと既グループの両方で共に1番人気が高かったのが、アサヒ、キリン、サッポロといった日本の生ビールでした(未グループの68人と既グループの83人、計151人が選択)。
私がアメリカに住んでいたのは今から10年以上前ですが、その頃からすでに、海外のお寿司屋さんやアジアンマーケットでは日本のビールが売られていて、お寿司を食べに来た方々はこぞって日本のビールを注文されていました。
実際に海外の方とお話ししていても、多くの方は”Asahi”, “Kirin”, “Sapporo” と、銘柄もご存知です。
このような認知度の高さが、「飲みたい」「飲んでよかった」という結果に繋がっているようです。
具体的なコメントとしては、このようにおっしゃっていました。
【未グループ】
- ビール大好き。旅行中は世界中の新しいビールを飲んでみたい
- 最初の1杯はビールで、最後はコーヒーで終わらせたい
【既グループ】
- 暑い日に1杯飲む日本のビールほどおいしいものはない
- 日本のビールで始めて、フランスのワインに変えて、最後は日本のウイスキーで締めるのが好き
- 家ではワイン派だけど、日本に来たらビールを飲みたい
- 日本の飲食店では間違いなくビール
- 食前にビールを飲みたい
1位の生ビールに僅差で人気だったのが「日本酒」
未グループの66人と既グループの72人が選び、2位に選ばれたのが日本酒(計138人)です。
”Sake(サキー)” の人気は海外では特に凄まじく、食品産業新聞社によると、2017年の清酒の輸出は金額・数量共に過去最高で、8年連続で過去最高更新してるとの事です。
参照:https://www.ssnp.co.jp/news/liquor/2018/02/2018-0201-1110-14.html
具体的なコメントとしては、このようにおっしゃっていました。
【未グループ】
- 普段の食事の際は水を飲むけど、せっかく日本に行ったのなら日本酒が飲みたい
- 食前か食後に、熱燗もお冷も飲んでみたい
- 母国では飲む機会がないから、日本に行ったら日本酒と焼酎にお金を使いたい。日本でしか経験できないことだしね。
- 母国で日本酒を飲んだことあるけど、本物かどうかはわからない。日本に行ったら本物の日本酒を体験してみたい
- 日本に行ったら日本酒を飲むのが楽しみで仕方がない
【既グループ】
- 母国ではお酒は飲まないけど、日本では日本酒を飲んでみた。すごくおいしかった
- 日本にいた間は常に「地元のもの」を探し求めて歩いた。輸入物や海外産のもには興味なし。母国では運転しなきゃだから飲めないけど、日本では浴びるようにビールと日本酒を楽しんだよ
- 日本酒は値段がピンキリだけど、僕は量よりも質を楽しみたかったから、常にプレミアムな日本酒を注文した。安い日本酒は全然おいしくない。言葉の壁があったから容易ではなかったけど、飲食店ではいつもおすすめを尋ねたよ
- いいものにはお金は厭わない。日本酒を飲んでみたけど、もう少し説明がほしかったな
- 普段はそんなに飲まないけど、日本酒とワインのテイスティングと楽しんだ
生ビールには劣るものの、3位に入った「日本のクラフトビール」
3位にランクインしたのが日本のクラフトビール(未グループ:54人、既グループ44任、計98人)です。
日本も数年前からじわりじわりとクラフトビールブームがきていますが、その人気はまだまだアメリカやヨーロッパの方が上。
クラフトビール好きは、クラフトビール専用のアプリを使いながら、各々が好きなクラフトビールを探し求めたり評価する程です。
特に、日本のクラフトビールは世界ではまだそれほど知名度が高くない為、日本にせっかく来たのであれば、各地域の地ビールを楽しみたいと考えている人も多い印象です。
日本酒と同じく、日本のクラフトビールは、海外の方にとっては「日本でしか体験できないことの1つ」に該当するようです。
「外国人は店員からのおすすめの提案があれば、もっと日本の飲食店にお金を落とす可能性大」というのは前回の調査結果でわかったことですが、「日本でしか体験できないこと」に日本酒や日本のクラフトビールが入っているのであれば、提案次第で生ビールを超える人気を誇ることも十分に可能でしょう。
ホールスタッフのみなさん、様々な香りや産地の日本酒とクラフトビールをご提案して、たくさん日本を体験してもらいましょう!
4位は海外のワイン。日本のワインの認知度の低さが露呈
日本のクラフトビールに次いで人気が高かったのが、海外のワイン(未グループ:47人、既グループ:40人、計87人)です。
ここまで上位3つは日本のものなのに、ここで海外のワインが入ったのは、「日本のワインを全く知らないから」という事が大きな要因と推測できます。
実際に街頭インタビューでお話を伺った方々は、「日本もワインを作っているの?」「いくつかの日本のワインを少量で良いから手軽に試飲できるチャンスがあればいいのにね」と回答していました。
今回の調査では、日本のワインは全体の8位でした。
また、未グループの内、18人が「日本のワインを飲んでみたい」と回答したことに対し、既グループの内、4人しか「日本のワインはお金を払ってまで飲む価値がある」と答えていないことが非常に興味深いです。
これは決して日本のワインの満足度が低いという訳ではなく、認知されていないから飲む機会がなかったからと考えられます。
同様に、ハイボール、梅酒、焼酎は日本に来たことのある方には若干認識されていますが、日本を経験したことのない方には殆ど知られていないことも、この結果から見えてきました。
弊社が去年に行った別の街頭インタビューでは、「外国人客に日本の飲食店でもっと注文してもらうためには、店員からの積極的なアプローチが最も求められている」ということがわかりました。
しかし、今回の調査では、より様々なお酒を楽しんでいただくためには、これまで認知されていないドリンクを知ってもらう機会を提供する必要があることが分かりました。
例えば、米、麦、芋、黒糖の4種類の焼酎を少しずつ1度に楽しめる「焼酎セット」を用意し、ネーミングを “SAMURAI” や “SAKURA” など、海外の方が好きな日本の単語名にし、”TRY OUR SAMURAI!” などのように打ち出せば、より多くの方に興味を持ってもらえるはずです。
- テイスティングの機会を設ける
- 興味を持ってもらえそうなネーミングをつける
このようにして、まだ認知されていない国産ワイン、焼酎、梅酒を知ってもらえれば、数年後には訪日外国人によるアルコールの消費額も代わってくることでしょう。
飲食店で働くみなさん、
「お客様のご注文を待つ」という待ちの姿勢ではなく、「知られていないお酒のご提案やテイスティングをご提供して、より楽しんでもらう」という攻めの姿勢で、たくさん飲んでもらい、たくさん売上げを上げましょう!
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
商工会議所様等でご好評いただいている飲食店向けインバウンド接客セミナーはこちら
written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)