高級レストランや老舗飲食店が自動翻訳を使わない方がいい理由
高級レストランや老舗飲食店が自動翻訳を使わない方がいいたった1つの理由
自動翻訳ってすごいですよね。
文字や文章を入力したらすぐに多言語に翻訳してくれます。
しかもタダで。
すっごい便利です。
私も今スペイン語を勉強している最中なので、単語を調べるとき等、大変お世話になっています。
でも、もし貴店が高級店や老舗店であれば、自動翻訳は絶対に使わない事をおすすめします。
理由は単純。
翻訳が間違っている事が多々あるからです。
そして、誤字脱字が多くあるメニューを使用しているお店はチープに(安っぽく)見えてしまうからです。
例えば、皆さんが銀座にある高級飲食店に入ったとします。
雰囲気はオシャレ。
店内も高級でもちろん清潔。
しかし、出されたメニューに誤字脱字が多くあったら…、
- 「誰もメニューを確認しないの?このお店は」
- 「メニューにお金をかけられない程、経営がうまくいっていないのかな」
- 「高級店を謳っているのにこの誤字脱字・・・全然プロ意識を感じない」
と、がっかりしませんか?
日本語メニューと英語のメニューの書き方は根本的に違う
そもそも、日本語と英語ではメニューの書き方の基本が大きく異なります。
英語のメニューでは、調理法、食材、味が書いてあるのが基本です。
ですので、どの国や地域の、どんな文化を持った人でも、メニューを見ればその料理が想像できます。
しかし、日本語のメニューは違います。
日本語メニューは、日本の文化や風習を知っている日本人向けに作られているため、日本人以外には、ぱっと見てもよくわかりません。
鮭のちゃんちゃん焼きの和訳と英訳の例
例えば、「ちゃんちゃん焼き」。
大抵の日本人であれば、「ちゃんちゃん焼きと言えば鮭」と想像できるので、わざわざ「鮭のちゃんちゃん焼き」と書かなくてもいいくらいです。
しかし、多くの海外の方には「ちゃんちゃん焼きといえば鮭!」という回路はないので、「書かなくてもわかるでしょ?」というのは日本人のエゴでしかありません。
では、「ちゃんちゃん焼き」を自動翻訳したら伝わるのでしょうか?
大手自動翻訳サイトで「鮭のちゃんちゃん焼き」を英訳したら、=”promptly-fried salmon” と出ました。
“promptly-fried salmon” をそのまま和訳すると、「さっと揚げた鮭」になります。
…全然あってないですよね。
先ほどお伝えしたように、英語でメニューを作る際の基本ルールは、調理法、食材、味を入れること。
ですので、仮に弊社に「鮭のちゃんちゃん焼きを英訳してほしい」というご依頼をいただいたら、”Grilled Salmon, Green Pepper, and Onion with Miso and Butter” (味噌とバターで鮭とピーマンとオニオンを焼いたもの)と訳すでしょう。
これが本来あるべき英語メニューの作り方なのです。
牛丼の和訳と英訳の例
続いて牛丼を正しく英訳し、英訳したものを自動翻訳で和訳したものも見てみましょう。
すごくおもしろいですよ。
牛丼の説明を弊社なりに英語にするとこのようになります。↓
Bowl of rice topped with thinly sliced beef and onion simmered in mildly sweet flavored with dashi, soy sauce and sweet sake.
上記英訳分の正しい日本語訳がこちら。↓
ご飯の上に、出汁、しょうゆ、みりんの入った甘めのソースで煮込んだ薄切牛肉と玉ねぎをのせた丼ぶり。
でも、さきほどの英文を自動翻訳で和訳するとこうなります。↓
薄くスライスした牛肉とタマネギをトッピングしたお椀に、甘く甘く味付けした醤油と甘酒を添えました。
ね?とてもおかしな和訳になっていますよね?
こういう間違った文章をあちらこちらに使っているとしたら、その飲食店はもはや、お店の箔を自ら落としている言っても過言ではありません。
カジュアルなお店であればまだ許される部分もありますが、高級店や老舗店であり、そこに誇りをお持ちであれば、自動翻訳ではなく、英語ネイティブのチェックも行っている翻訳会社に依頼しましょう!
たかがメニュー、されどメニューです。
お店の顔に自ら泥を塗っている飲食店が非常に多いので、厳しめに書かせていただきました。
ご参考になれば幸いです。
以上、今日のレッスンでした!
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
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written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)