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月: 2019年9月

お腹の子は障害児? 中絶を考える前に知ってほしい表と裏⑥

障害児子育てのプラスもマイナスも知る方法

  1. 障害児の母からあなたへのお願い 「真実を知ってから決断をして欲しい」
  2. 長男の話 ~2歳11ヵ月で「自閉症と中度の知的障害」と診断~
  3. 障害児を育てる上での大変なこと(タケルの場合)
  4. 障害児の母だからこそ知る事ができた幸せ 
  5. 障害児子育ての大変さを軽減する方法
  6. 障害児の子育てのプラスもマイナスも知る方法 ☜ 今ここ

ここまでなが~いブログを書いてきましたが、私がこのブログを書いた目的はただ1つ。

障害児子育てのプラスとマイナスの両方を知ってから、中絶するのかしないのかを判断して欲しい、という事です。

最後となるこの章では、プラスとマイナスを知る方法を具体的にご紹介します。

 

【詩】オランダへようこそ

セサミストリートの原作者であるエミリー・パール・キングスレーによる詩です。

障害児の子育てはどんなものか?という質問に対して、オランダを例に描いて(書いて)あります。

抽象的のように見えて、とても具体的な内容です。

涙腺の緩い私は、何度読んでも、読めば読むほど泣けてくる詩です。

みなさんも是非、オランダ旅行をお楽しみください。

 

障害のある子供を育てるのって、どんな感じなの? と聞かれる時があります。
このユニークな経験の無い方々にちょっと想像してもらおうと思って書きました。

赤ちゃんが生まれるのを待っている時って、
一生に一度の豪華イタリア旅行を計画してるような気分。
たくさんのガイドブックを買い込んで、どんな事をしようかと計画で頭がいっぱい。
楽しくて、楽しみで、とても幸せな気分。

ちょっとした会話の本まで買っちゃって、イタリア語での挨拶も覚えようとしたりして。
豪華ホテルってどんなかしら?
美味しい食事も楽しめそう。
どんな服を着ていこうかしら?
夢は膨らむばかりです。
周りの友達も一人ずつイタリア旅行の計画を立ててるわ。
情報交換して思いっきり楽しまなくちゃ。

数ヶ月が経って、ついに私たちの順番が来た。
カバンにいっぱい荷物を詰めて飛行機に乗り込む。
計画も完璧。あとは現地に着くのを待つだけ。
飛行機がとうとう着陸態勢に入って、ドキドキする。

スチュワーデスのアナウンスが流れてくる。
「オランダへようこそ♪」

・・・・???
オランダですって??
オランダって、いったいどういうことよ??
私はイタリアへの旅にサインしたのよ??
イタリア旅行をずっとずっと夢見てきたのに!!

でも、何かの手違いで飛行機はオランダに着いてしまった。
変更も出来ないらしい。
こうなったらオランダで過ごすしかないみたい。

大事な事は、
飛行機は無人島でも、気持ちの悪いバイキンだらけの環境の悪い所に着いたわけでもないってこと。
ただ、「ちょっぴり違う場所」ってだけ。

サァ大変だ。
私は慌ててオランダの観光案内を買い込む。
計画していた時とは違った言葉も覚えなおして。
今まで会った事の無い人達の中に入って・・・。

ここは違う場所。
イタリアよりペースはゆっくりとしているようだわ。
イタリアほど豪華な所でもないみたい。
あんなに一生懸命に計画を立てたのに。
「一生に一度の豪華旅行」のはずだったのに。

でもある日、ゆっくりと胸に空気を吸い込んだら、
素敵な風車が目に付いた。
綺麗なチューリップが目に付いた。
あら、レンブラントっていう素敵な絵を描く画家も居たのね。
ちょっとずつ、オランダを楽しめるようになってきた。

周りの人たちはイタリア旅行の話で盛り上がってる。
「あそこは素敵だったわねぇ」とか「あら、こんな場所もあったわよ?」とか。
みんなとても楽しんできたみたい。
みんなの話を聞きながら私は思う。

「そうよ。私もそこに行くはずだったのよ」

「イタリアに行く」という夢が破れたショックと痛みは永久に消えないでしょう。

でも、「イタリアに行けなかった事」をいつまでもウジウジと考えていたら、
オランダの素晴らしい風景や文化を楽しめなかったでしょう。

みんなとは違う土地だけど、
私はオランダを思い切り楽しんで、そして大好きになりました。

オランダへようこそ!

 

【ポータルサイト】リタリコ発達ナビ

発達障害をお持ちの当事者や、発達障害の子育てに奮闘する方々がコラムや悩みを自由に投稿できるポータルサイトです。

発達障害と言えども種類は様々なので、それぞれの特徴や将来についてを専門家の方が教えてくれたりもしています。

私の長男のタケル(自閉症と中度の知的障害)のような未就学児だと、他の発達障害を持ったご家庭との接点が全くない事も多いと思いますが、このリタリコ発達ナビには

  • 同じ悩みや不安を抱えた方
  • その悩みや不安を乗り換えた先輩家庭
  • 発達障害をもちながら社会人として働いている方々

など様々な方と出会えます。

みなさんの一番の不安は、先の見えない怖さですよね。

障害のない子であれば、普通に学校に通い、友達を作って遊び、大人になったら就職して働き、生涯共にするパートナーを見つけて結婚し、子供を産み…

という、みなさんが通ってきた道を想像できますが、障害のある子がどういう人生を歩むのかは全くの未知です。

その見えない将来が恐怖なのではないでしょうか?

 

でも、このリタリコ発達ナビを見れば、少しではありますが、わが子がどういう道を歩んでいくのかが見えてきます。

それだけでも随分安心しますよ。

少なくとも、私はこのリタリコにかなり救われました。

リタリコ発達ナビのサイトはこちら。

 

【書籍】発達障害に生まれて

私は読書が大好きなので、おすすめの本を3冊紹介させてください。

1冊目は 発達障害に生まれて という、小児科医の松永正訓先生が書かれたノンフィクションです。

自閉症と知的障害を持つ少年と、そのお母さん(立石美津子さん)を長期に渡って取材し、シングルマザーながら障害児を育てる母親の苦労、葛藤、喜びを描いた本です。

ノンフィクションなので、立石さんと息子さんのこれまでのありのままの生活が美化されることなく、生々しく書かれてあります。

もともと立石さんは幼児教育者としてセミナーや出版を手掛ける女性ですが、プロの教育者でも、最初は苦労の連続でした。

彼女の持っていた「普通の子」への固定概念が、息子さんと彼女自身を苦しめていました。

でも、あるきっかけを境に、息子さんを「普通の子」に育てるのを止め、息子が本来持っているありのままの魅力に目を向け、そこを十分に発揮できるように尽力を注ぎました。

結果、昔はあんなに苦しくて嫌で仕方なかった育児や息子さんとの生活が、今では「楽しくて仕方ない」と語れるほどに変わっていった、というお話です。

障害児を育てる上で、お手本としても反面教師としてもとても参考になります。

障害児を子育て中の全ての方に読んでいただきたいです。

 

【書籍】障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~

育児に関する多くの本やセミナーは母親がメインですが、この本を書かれたのは障害児である「かねやん」のお父さんの神戸金史さんです。

この本は、「障害者なんていなくなればいい」と言った犯人によって、相模原市の障害者施設で戦後最大の殺人事件が起こった日の翌日に Facebook に投稿された神戸さんの詩をもとに作られた本です。

私の説明ではなく、彼の詩を読んでいただければ、想いは十分に伝わるはずですので、ここにその詩をご紹介します。

私は、思うのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。

私は、考えてしまうのです。

長男が、もし障害をもっていなければ。

私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと。

何度も夢を見ました。

「お父さん、朝だよ、起きてよ」

長男が私を揺り起こしに来るのです。

「ほら、障害なんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」

夢の中で、私は妻に話しかけます。

そして目が覚めると、

いつもの通りの朝なのです。

言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。

何と言っているのか、私には分かりません。

ああ。

またこんな夢を見てしまった。

ああ。

ごめんね。

幼い次男は、「お兄ちゃんはしゃべれないんだよ」と言います。

いずれ「お前の兄ちゃんは馬鹿だ」と言われ、泣くんだろう。

想像すると、

私は朝食が喉を通らなくなります。

そんな朝を何度も過ごして、

突然気が付いたのです。

弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、

人をいじめる人にはならないだろう。

生まれた時から、障害のある兄ちゃんがいた。

お前の人格は、

この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。

お前は優しい、いい男に育つだろう。

それから、私ははたと気付いたのです。

あなたが生まれたことで、

私たち夫婦は悩み考え、

それまでとは違う人生を生きてきた。

親である私たちでさえ、

あなたが生まれなかったら、

今の私たちではないのだね。

ああ、息子よ。

誰もが、健常で生きることはできない。

誰かが、障害を持って生きていかなければならない。

なぜ、今まで気づかなかったのだろう。

私の周りにだって、

生まれる前に息絶えた子が、いたはずだ。

生まれた時から重い障害のある子が、いたはずだ。

交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、

雷に遭って、寝たきりになった中学生が、

おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、

嘱望されていたのに突然の病に倒れた大人が、

実は私の周りには、いたはずだ。

私は、運よく生きてきただけだった。

それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ。

息子よ。

君は、弟の代わりに、

同級生の代わりに、

私の代わりに、

障害を持って生まれてきた。

老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。

事故で、唐突に人生を終わる人もいる。

人生の最後は誰も動けなくなる。

誰もが、次第に障害を負いながら

生きていくのだね。

息子よ。

あなたが指し示していたのは、

私自身のことだった。

息子よ。

そのままで、いい。

それで、うちの子。

それが、うちの子。

あなたが生まれてきてくれてよかった。

私はそう思っている。

父より

障害を持つ息子へ  ~息子よ。そのままで、いい。~ より抜粋

 

【書籍】1/4の奇跡 (「強者」を救う「弱者」の話) 

最後にご紹介するのは、特別支援学校で教師として働く山元加津子先生の著書です。

例えば、この世の中に必ず、障害を持って生まれてこなくてはいけない人がいたとして、

もし、みなさん自身やみなさんご両親、ご兄弟、友達、パートナーなど、大事な人の代わりに、みなさんのお子さんが「障害」を引き受けてくれたとしたら、

こんなに尊い存在ってないと思いませんか?

「そんな事あるわけがない」

と思われるかもしれませんが、この本にはその真実が書かれています。

 

アフリカやインド北部で発生する、多くの死者を出す恐怖の病、マラリア。

そのマラリアにかかりにくい「強者の遺伝子(鎌状赤血球)」を持つ人が一定数います。

しかし、「強者の遺伝子」を持つ人が生まれるとき、高い確率で、その兄弟姉妹に重い障害を持つ人も現れてしまうというのです。

その確率は、4分の1。

例えば、4人の子どもが生まれ、「強者の遺伝子」を持った子がその中に含まれていると、必ずそのうち1人は、重度の障害を持つという事実です。

つまり、人間がマラリアとの生存競争に勝つためには、マラリアにかかりにくい「強者の遺伝子」だけでなく、重い障害を引き受ける「弱者の遺伝子」も必要だった、という事なのです。

この本を読んでから、私がタケルが愛おしくてたまらなくなりました。

もしタケルが、私や主人、次男のユズルの代わりに障害を引き受けてくれたのだとしたら…

そう考えるだけで、もう涙が止まりません。

 

まとめ

どんだけ科学が進んでも、一定の割合で障害児は生まれています。

それにはきっと、意味があると思うのです。

その答えは誰にも分かりませんが、私は、

障害を持った人がいてくれることで、幸せになれる人がいるから

だと考えています。

実際に、タケルが障害を持って生まれて来てくれたおかげで、私は優しい人間になれました。

それは主人も、そして弟のユズルも同じだと思います。

 

「もしこの実を食べたらその子の障害が消える」という悪魔の実があったとして、私たちはタケルにそれを食べさせるか?

これは、タケルに診断が下りてからずっと考えています。

タケルの人生なので、いくら親とはいえど、私たちに決める権利はないというのは当然ですが、

私たちにとってのタケルは、自閉症と知的障害を持っているタケルなので、その障害がなくなってしまったら、タケルはタケルではなくなってしまうような気がします。

もしそうであるならば、私はタケルには悪魔の実を食べてほしくないです。

と、こんな風に障害児と共に生きている家族もあります。

見渡せば見渡すほど、障害児を育てる様々な家族がありますので、是非その方々の生活や生の声を知り、大変な面と素晴らしい面を理解した上で、お子さんを生むのか、生まないのかの選択をしていただきたいな、と思います。

大きな決断です。

人生で最大の決断になるでしょう。

だからこそ、いっぱい調べていっぱい悩んでください。

どんな結論になろうとも、みなさんが将来悔やむ日が来ない事を、心から願っています。

【お知らせ】

昔の私の様に、お子さんの将来が見えなくて不安でいる方のお役に立てればと思い、タケルの動画を Youtube にアップしています。

良かったらご覧ください!

お腹の子は障害児? 中絶を考える前に知ってほしい表と裏⑤

障害児子育ての大変さを軽減する方法

  1. 障害児の母からあなたへのお願い 「真実を知ってから決断をして欲しい」
  2. 長男の話 ~2歳11ヵ月で「自閉症と中度の知的障害」と診断~
  3. 障害児を育てる上での大変なこと(タケルの場合)
  4. 障害児の母だからこそ知る事ができた幸せ 
  5. 障害児子育ての大変さを軽減する方法 ☜ 今ここ
  6. 障害児の子育てのプラスもマイナスも知る方法

 

タケルが障害児と診断されてから、もうすぐ3年になります。

これまで、何度も孤独を感じ、何度も泣き崩れ、何度も心が壊れかけました。

でも、その度に誰かに手を差し伸べてもらったり、学ぶこともありました。

タケル同様、私もゆっくりではありますが、日々成長していると感じています。

ここでは、私がこれまでの3年間で学んだ、障害児子育ての大変さを軽減する方法を2つ書きます。

私自身、最近になってこの2つの大切さにようやく気付くことができました。

障害児を生み育てることを悩んでいるあなたと、現在障害児の子育てで心身ともに疲れているあなたのお役に立てれば嬉しいです。

 

障害の種類や特徴を包み隠さず周りに伝える

障害児であるタケルは我が家にとって恥なのでしょうか?

障害は隠すべきことなのでしょうか?

私が障害者に対して「怖い」という意識を持っていたことは事実ですが、タケルを含め、彼らが恥じるべき存在であると考えたことは一度もありません。

主人が言っていたように、障害があってもタケルはタケルです。

可愛い息子であることに何ら変わりはありません。

しかし、タケルには健常児の子以上に周囲の助けが必要です。

それであれば、もっとタケルのことを知ってもらおう!

手を差し伸べてもらうのを待つのではなく、こちらから積極的に歩み寄ろう!

そう思い、タケルに診断が下りてからすぐに、身近な人たちにタケルの障害のことを伝えました。

そうすると、周りは私が予想していたよりも遥かに温かく、私たちを受け入れてくれました。

タケルを産む前の私もそうですが、障害に関する知識がないから、どう接していいかわからない、何を求めているのかわからないという人が大半です。

みなさん、ただ知らないだけなのです。

障害者に関して無関心だったり差別的意識を持っている人はごく少数で、ほとんどの方は知らないだけなのです。

でも、こちらが歩み寄って障害に関する情報をご提供すれば、積極的に助けて下さいました。

タケルをいつも優しいまなざしで見守ってくださいました。

しかし、もし私が

「タケルはちょっと成長がゆっくりなだけで、全然普通ですから!」

という態度でいたら、周りは困惑し、どうすることも出来なかったでしょう。

そして、私とタケルはどんどん周囲と溝ができてしまい、どんどん孤独に追い込まれていっていたと思います。

そうなった場合、すべての不幸はタケルに降りかかってきます。

親である私が対応を見誤ったことで、被害をより受けるのはタケルです。

子供の幸せを願っているはずなのに、良かれと思って行った自分の行動のせいで結果的に子供が社会と離れてしまうなんて、悲しすぎます。

障害児の母になって私が得た大きな気づきの1つは、「社会は自分が思っていたよりも遥かに優しかった」ということです。

でも、待っているだけではだめです。

最初の1歩は、私たちから踏み出しましょう。

そうすれば、たくさんの方が扉を開けてくださいますよ。

 

心に余裕を持つことを第一優先にする

先日、私は息子が通う保育園で泣き崩れてしまいました…。

自分で言うのもなんですが、私はまじめな人間です。

そして、自分が決めたことに関しては完璧主義者です。

タケルを産み育てると決めたのは私、子育てと仕事をすると決めたのも私、自分で会社を興すと決めたのも私。

バリバリ働きたい、でも、子供との時間もしっかり持ちたい。

そういう想いから、最近の私のスケジュールはこのようになっていました。

  • 4時半       起床
  • 4時半~7時    仕事
  • 7時~8時     子供を起こして登園の準備
  • 8時~8時半    ユズル(次男)を保育園に預ける
  • 8時半~9時半   タケルと公園で遊んでからタケルを療育施設へ
  • 10時~17時   仕事
  • 17時半~18時半 息子を保育園に迎えに行き、再び公園へ
  • 19時       帰宅、お風呂、ご飯、翌日の準備
  • 22時半      就寝

 

このスケジュールだと、仕事も十分にでき、子供との時間もしっかり作れます。

なので、この春から平日はこのように生活し、しかも、仕事で週に1~2回は日帰りで地方に行きながら働くという忙しさでした。

お客様でもある未就学児のママからは「内木さんは本当にすごい」「見習わなくちゃ」というようなお言葉もいただけ、充実していると思っていました。

しかし、自分が気が付いていない間に疲労はどんどん蓄積され、少しずつ心の余裕を失っていっていました。

不必要に子供を怒る回数も増え、自己嫌悪に陥るも、自分ではどうすることもできませんでした。

そんなときに、タケルが午前中だけ通っている療育が夏季休暇で1週間お休みになり、その週だけ、タケルは朝から保育園に登園することになりました。

しかし、自閉症児はルーティーンが崩れることが苦手です。

案の定、タケルは朝から保育園に行くのを嫌がりました。

時間がたてば落ち着くかと思い、炎天下の中40分以上付き添いましたが、タケルの嫌がる気持ちは収まりません。

私が仕事に行く時間も迫ってきたので、仕方なく泣き叫んで暴れるタケルを抱きかかえながら、汗だくの状態で保育園に連れて行きました。

本当は無理やり登園なんてさせたくありません。

でも、どうしようもありませんでした。

たった数日ですがそんな日が続き、これまでの疲労と猛暑、タケルへの申し訳なさ、「ママだってこんなに頑張ってるのに…」というタケルへの苛立ち、「なんで私ばっかり…」という主人への苛立ち、そして、「これが今後も続くのか…」という絶望…。

これらが一気に襲ってきて、私の中で何かが切れてしまいました。

そして、登園を泣いて嫌がるタケルを見つめながらその場に座り込み、私も号泣してしまいました。

幸い、その翌日から1週間の夏季休暇に入った為、私は少しずつ心の余裕を取り戻すことができました。

しかし、回復には丸一週間かかりました。

しかも、元気になったと思ったらまた心が病み…をいまだに繰り返しています。

心の回復は、私が想像していたよりも遥かに時間を要しています。

 

この経験を踏まえて、これからは心に余裕を持つことを TO DO リストの1番目に置くことにしました。

仕事は大事ですし大好きですが、私はタケルとユズルにとって太陽のような存在でありたいので、仕事のペースを少し落とすことにしました。

「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」

ではなく、

「今日中にこれが出来たら御の字(^ ^)v」

くらいの気持ちで毎日を過ごそうと。

 

私を含め、世のお母さん方はうつ病寸前のところで毎日育児と家事と仕事に奮闘しています。

でも、心の余裕をなくすほど頑張っても、何も得るものはありません。

子供を不必要に傷つけて、自分を追い込んでいるだけです。

 

障害のある子は自己肯定感が低い傾向があると言われています。

お母さんの心に余裕がなくなり、子供に笑顔で接することが出来なくなってしまっては、子供は余計に自分を愛することも出来なくなります。

なので、お母さんは「がんばらない」を目標にしましょう。

仕事なんてしっかりやっているフリをしてサボればいいのです。

有休も、自分の心を休める為に存分に使いましょう。

先日私に起こった出来事を肝に免じて、心に余裕を持つことを最重要項目していれば、障害があっても家族は幸せに過ごせると信じています。

 

【次のストーリーを読む】

お腹の子は障害児? 中絶を考える前に知ってほしい表と裏⑥

 

【お知らせ】

昔の私の様に、お子さんの将来が見えなくて不安でいる方のお役に立てればと思い、タケルの動画を Youtube にアップしています。

良かったらご覧ください!

written by 内木 美樹