二重価格(居住者割引)は外国人差別なのか? ~訪日外国人70人街頭インタビュー。73%が好意的。
こんにちは。
華ひらくを経営しています、インバウンド接客専門家の内木美樹です。
弊社は飲食店に特化した接客英会話を提供し、さらに約2,000人の訪日外国人の声を直接拾い続けている企業です。
私たちは、よくある英会話教室とは大きく異なり、変化の激しい外国人観光客のニーズをタイムリーにキャッチし、すぐに現場へ取り入れていただくことを目指し、訪日外国人に飲食店についての調査インタビューを行い、そこで得た「生の声」をそのままレッスンに反映させています。
今回、2026年4月に行った街頭調査の結果をお伝えしたく、このブログを書いています。
昨今、
「ホテル代が外国人向けに高騰し、日本人が泊まれない」
「観光地に外国人観光客が溢れ、地元の人が公共交通機関に乗れない」
など、オーバーツーリズムによる不満が目立つようになってきました。
その対策のひとつとして考えられるのが、二重価格(居住者割引)です。
ただ、この制度は「外国人差別ではないか」と捉えられやすく、導入には慎重な声もあります。
そこで今回、実際に訪日外国人に直接話を聞き、「日本で導入するとしたら、どう感じるのか?」を調査しました。
結果として、多くの方に賛同をいただきながら、日本で導入するヒントが見えてきました。
今回の調査内容
24か国・計70名の訪日外国人に、以下の3つの質問を行いました。
① あなたの国には、居住者割引はありますか?
② 日本が日本居住者に居住者割引を提供することをどう思いますか?
③ 日本が導入した場合、どれくらいの割引が妥当だと思いますか?
① あなたの国には、居住者割引はあるか?

これまで二重価格を導入している国といえば、インド(タージ・マハル)やエジプト(ギザのピラミッド)、ヨルダン(ペトラ遺跡)など、途上国が中心でした。
しかし今年に入り、パリのルーブル美術館やベルサイユ宮殿ではEEA内居住者とそれ以外で価格差を設け、アメリカのグランドキャニオンやヨセミテ国立公園でも外国人観光客の価格を上げるなど、世界的に広がりを見せています。
今回の調査では、「ある」と答えたのはメキシコやインドネシア、ブラジル、ドミニカ共和国だけではなく、アメリカ・カナダ・オーストラリアでも導入され、認知されていることが分かりました。
一方で、フランスを含むヨーロッパでは、ほぼ全員が「ない」と回答。
イタリアやドイツの方に世界遺産の入園料などを聞いても、
「学生や高齢者割引はあるが、居住者割引はない」
という回答がほとんどでした。
② 日本が日本居住者に居住者割引を提供することをどう思うか?

半数以上の方が
「いいと思う(It feels fair)」
と回答しました。
理由として多かったのは、
「訪日外国人は日本のルールに従うべき」
「オーバーツーリズム対策として必要」
「自分たちはTax Freeの恩恵を受けている」
「地元の人たちは住民税を払っている」
「地元の人に恩恵があっていい」
といった声です。
また、「条件による(It depends)」を選んだ方からは、
「金額・場所・サービス内容による」
という意見が多く、
美術館や博物館では理解しやすい一方、飲食店では
「同じ料理・同じサービスなのになぜ?」
という声もありました。
一方で、「賛成できない」と答えた方は少数で、
「外国人差別に感じる」
「全員が同じ料金を払うべき」
という考えでした。
③ どれくらいの割引が妥当だと思うか?

ギザのピラミッドでは12倍、タージ・マハルでは22倍もの差がありますが、日本においては
「10〜20%程度」
という声が圧倒的に多い印象でした。
ただし中には、
「貧しい国で導入するのは理解できるが、日本のような豊かな国ではどうなのか」
と疑問を呈する方もいました。
【内木の考察】日本で導入するなら重要なのはこの3つ
今回の調査を通して、仮に日本が導入を始めたとしても、多くの外国人から理解を得られる可能性が高いことが分かりました。
ただし、途上国と日本のような先進国では、対象者・金額・理由を工夫しなければ、「外国人差別」と捉えられてしまうリスクがあります。
そこで、私が考えるポイントを3つにまとめました。
① 対象者
「外国人を高くする」ではなく、「居住者を安くする」
ここが最も重要です。
途上国のように「外国人料金」を設定するのか、ハワイのように「居住者割引」にするのか。
今回の調査では、
「むしろ訪問者を高くしてくれた方が、日本に貢献している感じがして嬉しい」
という声もありました。
ただ、日本のような先進国では、「外国人の値段を上げること」に嫌悪感を持つ方も一定数います。
そのため、
外国人を高くするのではなく、日本(または地域)居住者に割引を提供する
方が、圧倒的に受け入れられやすいと考えています。
さらに重要なのは、その線引きです。
「日本人」と人種で分けてしまうと、差別と見なされるリスクが高まります。
そこで、
日本居住者
という考え方にし、
運転免許証・学生証など、居住が分かる証明書の提示で割引を受けられるようにすることが大切です。
(「クーポン提示で割引が効く」と同じ感覚と思えば、より浸透しやすいと考えられます。)
② 割引額
日本なら10%前後が現実的
私は、日本のような発展国であれば10%前後が妥当だと考えています。
ただし、割引だけを先に導入すると、事業者側の負担が大きく、長く続けるのは難しいでしょう。
だからこそ私は、
「全体の価格を見直したうえで、居住者に還元する」
という考え方が現実的だと感じています。
これは値上げというよりも、
「誰に、どのように価値を還元するか」
という設計の問題です。
③ 理由
「地元応援割」が最も受け入れられやすい
理由なく「日本居住者のみ10%割引」と書かれていると、誤解や不満を招きます。
そこで重要なのが、理由の明示です。
私が最も受け入れられやすいと思うのは、「地元応援割」です。
たとえば、
「価格高騰に苦しむ日本居住者を応援したいので、日本にお住まいであることが分かる証明書をご提示いただければ、10%割引いたします」
このように、
誰を、なぜ応援したいのか
を明確にすることで、クレームや炎上のリスクを大きく減らせると考えています。
共存のために必要なこと
日本政府は2030年までに、訪日外国人6,000万人を目標にしています。
これは、過去最高だった2025年(約4,268万人)から、さらに約3割増です。
日本が観光立国になることは、それだけ日本にお金を落とす価値があるということ。
経済的には素晴らしい一方で、観光地に住む方にとっては、オーバーツーリズムによる実害も増えています。
何らかの対策は、もう避けられません。
バスの本数を増やす、ゴミ箱を設置する。
もちろんそれも必要です。
ただ、生産労働人口が減り続ける日本では、その担い手を確保すること自体が難しくなっています。
だからこそ、
住む人を守りながら、訪れる人とも共存する仕組み
が必要です。
私は、そのひとつが居住者割引だと考えています。
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
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written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)


