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2018年3月22日
飲食店に特化した接客英会話レッスン 7日目 in 新宿区
目次
今日の接客英会話レッスン
今週も
「最近、海外のお客様はご来店されましたか?」
と生徒さんに聞いてみましたが、「言えた!」「通じた!」が増えてきて、初回のレッスン時にと比べるととてもイキイキとされ、英語に対して自信が増えてきた様に思えます。
新しい言語を学ぶとき、最も嬉しい瞬間って自分の言った言葉が伝わった瞬間ですよね。
私の話で恐縮ですが、アメリカの大学で栄養学の授業中に、突如発言をする機会がありました。
とても急だったので緊張しまくってカミカミのしどろもどろでしたが、私の言わんとしている事を先生や周りの生徒さんが汲み取って下さり、恥ずかしかったけどとても嬉しかったことを今でも覚えています。
そういう「やった!」とか「嬉しい!」という気持ちの積み重ねが、英語上達の最大のポイントです。
でもこれって、話さないと絶対に得る事が出来ない体験なのです。
なので、生徒さんには恥ずかしがらず、失敗を恐れず、いっぱい英語を話す機会を自ら設けて、たくさん「やった!」を積み上げていただきたいなと思っています★
宿題の確認
さて、そんな訳で、今日のレッスンも宿題の確認からスタートです。
*宿題とは?*
宿題とは、週に1回のレッスン以外でも英語に触れる機会を作っていただける様、このようなものをお出ししています。
- 通勤途中や自宅で、好きな洋画や海外ドラマを見る。(音声は必ず英語で!)
- 映画やドラマの中から、飲食店内や日常で使えそうな一文を見つける。 (例:「いらっしゃいませ!」→”Hi!”)
- それをノートにメモする。
- 次回のレッスンで、ノートにメモした一文を全員に紹介する。(単語の意味や、なぜこの様な言い方をするのかも説明できれば尚良い)
I got to meet a lot of people at the seminar.
(セミナーで多くの人たちと会う機会がありました)ー HAPA英会話より ー
これはもう、HAPAのJUNさんの解説をそのまま引用させていただきますね↓
「この場合の“get to”は「何かをする機会を得られる」を意味し、“Have the opportunity to”の代わりに使われる口語的な表現の仕方です。例えば、「セミナーで多くの人たちと会う機会がありました」は「I got to meet a lot of people at the seminar.」になります。」
ちなみに、この動画がこちら。
JUNさんの英語はとても聞き取りやすく、解説も分かりやすいので非常におすすめです。
Podcast もやられているので、「日常的に聞く」という練習にはもってこいです!
Have you ever been to Abu Dhabi?
(アブダビに行った事はありますか?)ー Sex and the City movie 2 より ー
“Have you ●●?” で、「●●した事はありますか?」と聞いています。
“ever” は「今までに」という意味で、”been” はこの場合「行く」です。
この質問は、来店された海外のお客様にも聞けますね♪
例えば、
「都内でおすすめの場所はありますか?」
と聞かれた時に、
Have you ever been to Asakusa?
(浅草に行かれた事はありますか?)
Have you ever been to Tokyo Tower?
(東京タワーにはもう行きましたか?)
とお答えできれば、つまりはそこ(浅草/東京タワー)がおすすめだという事が伝わります★
もしくは、
「当店は初めてですか?」
と聞きたい時はこの様にアレンジできます。
Have you ever come here?
動詞を “been” から “come” に変更するだけで、「行った事がありますか?」から「来た事がありますか?」に変えられます。
こういうアレンジの効く文はどんどん覚えたいですね♪
Would you like to pay together or separately?
(お支払いはご一緒にされますか?別々がよろしいですか?)ー バイリンガール・ちかさんの Youtube より ー
こちらの動画での一幕です。(6:19辺り)
“Would you like to pay together or separately?” は一見すると長い質問文ではありますが、新しい単語は “separately” だけなので、そう考えると気持ちがラクに覚えられますよね?
まず、このレッスンでも何度も登場している “Would you like ●●?” は「●●はいかがですか?」と提案する時に使う定番のフレーズです。
接客では本当によく使いますので、必ず覚えましょう!
“pay” は「支払う」という動詞です。
“together” はわざわざ書かなくてもご存知ですよね?「一緒に」という意味です。
(現在、T. M. Network の ”Be Together” が私の頭の中で流れています。懐かしい…)
で、新しいのが “separately” ですね。
“separately” は “separate”(離す、離れる) という動詞が元になっている副詞です。
(副詞とは動詞を飾る言葉です。”speak fast” で「速く話す」という様に、「話す」という動詞により具体性を持たせる時に副詞が使われます。)
“pay separately” をそのまま訳すと「離して払う」なので、つまりは「別々に払う」となるのです。
“separately” は「セパレイトゥリー」と、「レイ」にアクセントを置いて発音します。
Rの音がなかなか難しいと思いますが、これはもう慣れです!
何回も使って “separately” に慣れましょう♪
講師によるお手本
さて、今日は25回のレッスンの中で唯一、講師が接客英会話のお手本をご披露する日です。
「25回が終わる頃には、これくらいスムーズに接客できるようになりましょうね♡」
という、脅迫という名の一言を添えてお手本をお見せしました。
このお手本、接客はもちろんですが、どう話すか?にご注目頂きたいのです。
もうすでに何度もお伝えしていますが、大切なのは「何て言うか」ではなく、「どう言うか」です。
習った英語を話すだけでいっぱいいっぱいになり、笑顔が消えてしまったり、たどたどしさや堅苦しさが出てしまうのはよく分かります。
でも、海外のお客様の心を掴むポイントはまさにそこなのです。
いわゆる非言語コミュニケーションです。
今はまだ「接客英会話を覚える」という段階なので、非言語コミュニケーションにそこまでの意識を置いて頂かなくてもいいのですが、25回の前半が終了し、ちゃんと覚えられたら、次は以下の点に重点を置いていきましょう。
笑顔
「この世界の共通言語は英語ではなく笑顔だと思う」
という素晴らしい歌詞をご存知ですか?
堀北真希さんがご出演されていた東京メトロのCMで流れていた、高橋優さんの「福笑い」という歌のサビの部分です。
本当に、そう思います。
海外の方に街頭インタビューをしても、多くの方が
「日本人は笑顔とホスピタリティに溢れているよね」
というお褒めの言葉を、世界中の方々から聞きます。
きれいな英語なんて話せなくていいのです。
笑顔で温かさや優しさ、歓迎の意を出せれば、それで十分です。
どんな時でも、笑顔を忘れないでくださいね。
声
声を変えるだけで印象はずいぶん変わります。
通常、「声に意識をしていた事がない」という方は地声で話しています。
しかし、大抵地声は低いので、地声で話すと「機嫌が悪そう」「怒ってるのかな?」という印象を相手に与えてしまいます。
おすすめは、地声が「ド」だとするとド、レ、ミ、ファの「ファ」の高さまで上げる事。
そうすると、高すぎず、丁度いい程度に明るさや親近感を出すことが出来ます。
声を「ファ」まで上げたら、話し方をどうするかです。
心理学者として有名な植木理恵先生曰く、
「ゆっくり話すことで起こるデメリットは、心理学上何もない」
らしいのです。
速く話す人よりも、ゆっくり話す人の方が信頼感や親近感を得られるとの事。
ですので、「ファ」の高さまで声を上げ、気持ちゆっくりめに話すと、よりお客様に空間を楽しんで頂けますよ。
抑揚
抑揚をつける事で、話し手の感情を聴き手に伝える事が出来ます。
だから、抑揚は絶対に必要なのです。
なぜ感情が大事か?
それは、人は感情によって動かされるからです。
同じ「こんにちは」でも、抑揚のない「こんにちは」と、抑揚がある、感情のこもった「こんにちは!」では、相手に与える印象は全然違いますよね?
仮に飲食店に入って店員さんに抑揚のない「こんにちは」を言われた場合、
「マニュアル通りやってます、って感じだな」
「とりあえず言っている感がすごいな」
と、決していい気持ちはしません。
しかし、抑揚があって感情のこもった「こんにちは!」を言われたら、
「歓迎されている(嬉しい…)」
「ホシピタリティに溢れているお店だな」
と、お客は「ここを選んで良かった」と入店早々思えるのです。
ちなみに、抑揚は声の強弱だけではありませんよ。
話す際のスピードや表情、身振り手振りでも緩急をつける事ができます。
ただ、慣れるまでは練習が必要です。
では、いきなりですが練習してみましょう!
日本語で構いませんので、まずは「当店のティラミスは別格です。」を特に感情を込めず、今まで通りに読んでください。
次に、「別格」のところでこちらを意識して、もう一度「当店のティラミスは別格です。」を声に出してみましょう。
- 右手をパッと開く
- 目を大きく開ける
- 表情もより笑顔に
- 別格の「っ」を多めに(「べっっかく」くらい)
するとどうでしょう?
同じ「当店のティラミスは別格です。」でも全然違いますよね?
抑揚を付けた「当店のティラミスは別格です。」だと、「おいしい」や「おすすめ」という感情が伝わってきますので、「それなら食べてみようかな」と思わず思ってしまいます。
こういう店員との会話も、海外の方はとても楽しみにされています。
ですので、抑揚を付けながら感情を込めて話し、お客様に「良かった!」「嬉しい!」「楽しい!」と思ってもらえる努力をしましょう。
姿勢
お客様の前に立つ以上、立ち振る舞いにも気をつけましょう!
異国の地で初めて行くお店は、わくわくもありますが、多少は不安もつきものです。
しかし、そこにピンと伸びた背筋の店員が現れ、堂々とお客様に接客が出来れば、
「ここなら大丈夫そう!」
とお客様の不安を払拭できるかもしれません。
飲食店がお客様にご提供するのはおいしさだけではありません。
安心できるからおいしく食べる事が出来ます。
ですので、安心をお届けするのは、サーバーの大切な役割の1つなのです。
アイコンタクト
接客する上で注意すべきは、お客様全員に平等にアイコンタクトを配る事です。
お客様が1名で来店された場合、1人のお客様だけを見て接客すればいいのですが、例えばお客様が4人で来店された場合、4人全員に平等にアイコンタクトを配るのはとても技術のいる事です。
なぜなら、4名の中にはアイコンタクトを配りやすい人とそうでない人がいるからです。
話しさすそうな人、優しそうな人の目はみやすいですが、怖そうな人、寡黙そうな人目はどうしても見にくいものです。
また、お客様が座っている場所でも見やすさ・見にくさは異なり、手前に座っている方は見づらく、奥の、自分の正面の方に座っている方にはアイコンタクトが取りやすいです。
ただ、これらを踏まえた上でも、全員に平等に目を合わせるのがマナーです。
なぜなら、目をあまり合せなかった人に、仲間外れをされた様、疎外感を味わせてしまうからです。
おすすめは、目配りがしにくい方に意識的にあわせる事。
そうすれば、比較的全員に平等に配る事が出来ます。
身振り手振り
身振り手振りも、やった方がいい理由は抑揚と同じです。
身振り手振りがある話し手とない話し手では、聞き手にとって伝わり方が大きく異なります。
もちろん、ある方がより伝わる、という意味です。
こちらも抑揚と同じで、いきなり「はい、身振り手振りを交えて話して!」と言われて、すぐに出来るものではありません。
日頃の練習をコツコツ積み重ねる事で、1つ、また1つと自分の中で身振り手振りの引き出しが増えていきます。
ですので、まずは日本語を話す時から身振り手振りを交えるように意識しましょう!
そうすれば、英語を話す時も少しずつ出てくるようになりますから。
ノートを見ながら実践練習開始!
本日最後のレッスンは、実践練習です!
今はまだノートを見ながらで大丈夫なので、「いらっしゃいませ」~「お越しくださりありがとうございました」までの一連の流れを全て英語で、実際にやっていただきました。
(写真を撮るのを忘れてしまった・・・)
2人でチームを作り、1人が海外のお客様役、もう1人が店員役となり、実際に入口からご案内し、メニューをお出しし、オーダーを取って・・・という、本当に実践的な練習です。
さて、実践練習でお客様役になってみると、新たな課題が出てきます。
それが、
「これください。」って英語で何て言うの?
です。
つまり、お客様の英語です。
ですので、次回は「お客様の英語」に的を絞り、海外のお客様がよく質問してくるこれらを英語で何て言うかを学んでいただきます♪
- これください
- 何がおすすめですか?
- 私は●●が食べられません
- これは何ですか?
- これは2名で十分な量ですか?
- お支払いはどこですればいいですか?
- カードは使えますか?
以上、今日のレッスンでした!
華ひらくは飲食店専門の接客英会話コンサルタントです。インバウンド(訪日外国人や訪日外国人旅行者)が増える中、外国人に対しての接客英会話は、広く求められております。当社の代表である内木美樹は、アメリカ・ネバダ州の国際ホテル「Peppermill Resort Hotel」内のレストランで、日本人が誰もいない環境の中、マネージャーから「No. 1 food server」と称された実績があります。
その知識と経験を活かし、飲食店の方々に出張型の英会話レッスンを行っております。飲食店に特化したレッスン内容になりますので、多くの飲食店様からご好評いただいております。レッスンは基礎レッスンから行いますので、英語がチンプンカンプンという初心者の方でも安心して受講してください。
商工会議所様等でご好評いただいている飲食店向けインバウンド接客セミナーはこちら
written by 内木 美樹(飲食店インバウンド専門家/飲食店専門の英語講師)